4月7日(木)は、聖カピタニオ女子高等学校第60回入学式が執り行われました。
春の暖かなそよ風に桜の花びらが舞い落ちる様子は、新入生の門出を祝福しているように感じました。
今年度から本校の校長に就任された村手元樹新校長は、新生活に不安を抱えている新入生に向かって、入学式に臨んでいる今の自分は何のために学校に進学したのか考えるように話されました。
そのお話の要点を紹介します。
「義務教育を終えて、皆さんは高校に進学することを選択しました。
令和2年度のデータでは日本の進学率は98.8%。
ほとんどの中学生が高校生になります。
世界に目を向けると、15歳以上で学校に通っているのは60%台で、約1億2100万の子どもたちが教育を受けられない状況の中、高等教育を受けられる皆さんは高校に進学したことは、世界的に見れば少しも当たり前のことではないことが分かります。
日本で高校に進学することも当たり前ではありません。
自分の力だけで高校で学ぶことができないからです。
公的機関をはじめ、社会の人々の支援がなければ高校には成り立ちません。
また何より保護者の助けがなければ高校へ行くことができません。
この様に、感謝の気持ちは、自分が周りの人や物に支えられていること、自分が一人ではないことを自覚させてくれます。
また、グローバルな視点で高校生活を考えることは、私たちに学ぶことの本来の意味を思い出させてくれます。
マララさんは「知識は力、教育こそが世界を変える唯一の解決策である」と言っています。自分の生活を豊かにするためには知識や考える力が必要だからです。
また周りの誰かを助け、その人の力となるためにも、皆と共に平和で幸せな社会を作っていくためにも学問は不可欠です。
助けたい誰かはまだ見ぬ大切な人かもしれません。
そのために学校に通うのです。
高校生活は順調なことだけではありません。
さまざまな課題に直面した時、まず自分で解決策を探ることが必要です。
人は成功より失敗から多くのことを学び、それが成長のチャンスとなります。
自立とは一人で立つことではありません。
感謝しながら他者と力を合わせて生きることです。
自分の弱さを知り、助けを求める勇気を持つのが真の強さです。
強がることは強さとは違います。
それがカピタニオで学ぶ大切なことの一つです。」
村手校長先生は新入生に向かって、これからの高校生活を送る目的を話してくださいました。
人間は意味を考える生きものです。
「何のために、私はこの学校に来て学んでいるのだろう?」
と自分に問いかけながら歩む3年間。
そうすれば、「自分が何のためにこの世で生きているのか?何をしなくちゃいけないのか?」
と神様が望んでおられる自分の存在意義の答えも見つかるかもしれません。
そうして、3年後には「自分を好き」になり、他者のために生きることに喜びを感じる女性に成長していくことでしょう。
そのように成長できるように、共に歩んでまいりましょう!