本校の女性学の授業の一環で、各学年1回産婦人科の先生から女性の体の仕組み、体のトラブル、男女の関係についてお話を伺います。
1年生は、「生と性のライフ講座~思春期のみなさんに伝えたい性にかかわるお話~」で、性の多様性、今を生きる生-未来につなげる性を生きるためにはまず、正しい知識を持つことの大切さを学びました。それは自分の人生を正しく導くと同時に友人にも教えることができると前置きし、今から大切な話をしますよと生徒の心をつかんで話を進めてくださいました。お話をしてくださった先生は、ココカラウィメンズクリニックの伊藤加奈子先生です。
まず、性の多様性についてのお話でした。LGBTQの当事者は日本人の8.9%~10%の割合で、性には多様性があることを図を通して説明し、100%の女性も、男性も存在しないことを前提に、自分らしさの大切さを話してくださいました。
月経についても小学校からいつも聞いているお話でしたが、伊藤先生から具体的にお話を聞いていた生徒たちは、これまで聞いた話を総合させて聞けたのではないかと思いました。
女の子は新しい命を宿す体であり、自分の体をしっかり知ることやSNSによる性被害も5割が高校生であることから、具体的な例を挙げながら、思春期は葛藤の時期であり慎重に行動することの大切さを母親のように温かい姿勢で「ちょっとしたことが大変なことを招くよ」というメッセージが伝わっていました。
生徒の感想を抜粋して、皆様と分かち合いたいと思います。
*性に関することは、普段人に聞きにくいことなので、先生から性や体のことを分かりやすく教えてくださり、素直に聞けました。正しい知識や情報が手に入りにくかったのですが、今日お話を聞いて理解することができました。「性」の種類はたくさんあって、すべての人が全く同じ「性」を持っているのではないことが分かりました。
*これから自分が大人になって社会の出て行く上で、日本はこのような教育をあまり取り上げていないので、今回大切なことを学べました。これまで、インターネット上の間違った知識があり不安に思っていましたが、今回正しい知識を聞くことができて良かったです。
*私は「いのちの学習」のお話を聞いて、日本の性教育が世界の国々よりも遅れているのは、とても残念に思うし、これからを生きる私たちにリスクを負わせることになると思いました。だからこそ、自分で自分を守るためには、正しい性の知識を知っておくことから始まるように思いました。
*調子に乗ったりするなど、甘い気持ちが大きなトラブルになるので、日頃から気を付けたいと思いました。自分が知らないことを教えてもらったり、自分が体験したことのない妊婦さんの苦労など女性の大変さを知ることができて良かったです。今回は、性に関する自分の責任について学ぶことができました。
*性というのは、単純なものに感じるけれど、本当は全く単純なものではなく、多様だということを知りました。どれが、悪い、良いではなく、一つ一つの性の形があってよいのだと思いましたし、尊重されるべきだと感じました。自分の体を自分で守るための、良い学習になりました。
生徒たちの感想から、これまで学校で聞いていた話をまた聞くのか?という感じでしたが、伊藤先生は生徒たちの将来のことを考えて、時間内で「これだけは知っていてね!」という知識をお話してくださいました。その熱意が生徒たちに伝わったのか、真剣に聞いていました。生徒たちにとってこの時期は、性についてのトラブルや問題を考える時で、相談相手は友人、インターネット情報で間違った知識を得る可能性があります。だからこそ、専門家から正しい情報を得ることはとても重要なことと考えています。