61年間支えてきたもの
2024.06.10

本校の第61回目の誕生日を、全校生徒合唱「ラ・カリタ」でお祝いしました。入学して間もない1年生もイタリア語をマスターし、2,3年生と心を一つにし、澄んだ歌声をカリタスホームに響き渡らせました。その歌声は世界中に広がっていった感じがしました。(笑)

 

み言葉の祭儀の後に、61年間の本校の歩みをスライドで紹介しました。この高根山の山頂に本校が建設される経緯は、瀬戸市に女子だけの学校がなく当時の市長さんからの要請と名古屋教区長の要望がありました。そのためにイタリアの本部から総長と顧問のシスターが様子を見に来日し名古屋駅にいた時に、一人の男性が新聞紙にくるんだものを総長に渡し無言で去っていったそうです。その新聞紙の包みを開けてみると陶器のマリア様のご像でした。そのご像を見て総長は、「神様は瀬戸市に女子校を作って欲しいと望んでおられる」と神の計らいを感じ建設することを決定されました。

 

当時は家一軒もないところで、山頂を削り本校舎と修道院が建設されました。1963年入学者183名を迎えて開校しました。道路は舗装されておらず、雨の日に登校した生徒たちの日課は、まず靴に付着している粘土質の泥を洗い落とすことから始まりました。すぐに洗い落としておかないと、帰りは陶器の靴を履いて帰ることになるからです。(笑)

 

また、体育の授業は校外のグランドで行われていましたが、授業をする前に生徒たちは石拾いをしてから授業をしていたそうです。不自由な設備の中、生徒達は明るく元気で学校生活を送り、今の私たちの学校生活の土台を作ってくださいました。

 

その後、入学者も増加し学校生活を行っていく上で必要な施設が、次々と増築され現在の姿になってきました。それと同時に時代にあった教育として国際教育が充実し、英語コースの設置と海外研修が始まりました。また、開校してまもなく女子教育を充実させるために、本校独自の「女性学」の教科が生徒の現状に合わせた内容で発展し今日に至っています。

 

61年間学校は確実に時代と共に発展し変化をしてきましたが、創立当初から変わらないものがあります。それは全校生徒で朝、夕唱えているお祈りです。この祈りが本校の中心にあるからこそ、創立当初からブレずに本校が目指す人間教育が行われ続けていることに気づかされた今年の創立記念日でした。