【朝礼の話㉘】役割感
2024.11.01

木を這い上るアイビー(感謝坂)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇お年寄りと役割◇

10月の話のテーマは「責任・自分の役割」ですが、「役割」ということに関して、こんなような話を聞いたことはないでしょうか。お年寄りにとって役割が「生きがい」や「心の張り」になるということです。年を重ねるにつれて、お年寄りが家族のために家事とかを手伝おうとすると、「そんなこと私たちがやるから、おばあちゃんは、向こうでゆっくりしていて」と労りの気持ちで言われる場面も多くなるんですが、頼りにされた方が嬉しいという面もあるんですよね。

 

◇役割感と生きる活力◇

そういう感覚を「役割感」という言葉で説明する人もいます。「自分が誰かの役に立っている」「誰かから必要とされている」という感覚です。もちろんこれはお年寄りだけの問題ではありません。「役割」というと、どうしても義務、仕事と思いがちですが、私たちに活力を与えてくれるものでもあるんですよね。「責任」も同じで、日本語では「責める」「任せる」と書くので、どうしても重たいイメージも付き纏いますが、英語では「レスポンシビリティ」、「応答できる」「誰かの呼びかけに応える」というのが本来の意味です。

 

◇朝の感謝坂の光景◇

毎朝、感謝坂の下の横断歩道で小学生のためにボランティアで交通整理をされている方がお二人いらっしゃいます。お一人は80代くらいの男性で、交通整理が終わって感謝坂を上がってこられる時に、ちょうど私は校門に立っているので毎朝お会いして挨拶を交わします。はあはあと息を切らしながら毎日感謝坂を往復されている姿には頭が下がります。でも、たぶん生きがいとか張り合いを感じていらっしゃるんだと思います。

 

◇責任も役割も基本は応答すること◇

私は生徒の皆さんを迎えるために校門に立っているのですが、小学生が100人くらい目の前で道路を横断するので、一市民の役割というか、安全確認をしています。「おはようございます」と挨拶してくれたり、たまに「ありがとうございます」とか「お世話になっています」とか言ってくれたりして、ささやかな喜びも感じます。先日も9月の暑い日でしたけど、小学1年か2年くらいの女の子と目が合って、何か言いたげにしていたので、「え?」って私が促すと、女の子は「この坂マジきつい!」と言っていました。「そうだね、きついよね。」とまさに「レスポンス」しました。できるだけレスポンシブルな自分でありたいと私は思っています。皆さんはどうでしょう。

校長 村手元樹

*2024.10.10 全校朝礼