令和7年1月7日(火)、3学期の始業式を行ないました。始業式で生徒の皆さんに話した内容を紹介します。
始業式の話
◇戦後80年◇
おはようございます。そして新年明けましておめでとうございます。
2025年(令和7年)が始まりました。2025年は歴史的にもいろいろな節目の年でもあります。例えば「戦後80年」という年に当たります。現在の世界情勢を見渡せば、過去の話として片づけることはできません。昨年12月に被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞したのも象徴的です。
「阪神淡路大震災から30年」。今年の1月17日でちょうど30年経ちますが、今日的な問題であることは言うまでもありません。その後、東日本大震災が起き、1年前の能登半島地震は記憶に新しく、復興がまだまだ途上にある様子が報じられています。こうした節目に歴史を振り返って改めて考えるきっかけになるといいと思います。
◇「有終の美」とは◇
さて、3学期は2025年の始まりであると同時に2024年度の締めくくりの学期でもあります。締めくくりと言えば「有終の美を飾る」という言葉がよく聞かれます。「有終」という漢字を思い浮かべてください。もちろん「優れている」という字でなく、「終わりが有る」と書きます。
これはどこから来ているかと言うと、「詩経」という、中国の古典の一節に、「物事には必ず始まりが有るけど、よい終わりはなかなか無いよね(少ないよね)」ということが書かれていて、そこから来ているそうです。確かに何かを始めるときは期待感が強くて勢いがあるけど、気持ちを持続するのは難しいですね。つまり「有終」とは「よい終わりが有ること」、いわゆる「尻切れトンボ」とか「中途半端」な状態のままではなく、始めたことは最後まで気を抜かずしっかりやり遂げましょうというのが「有終の美を飾る」ということです。これは含みとして「そうすると次の始まりに繋がりますよ」という気持ちが込められているような気がします。
◇終わりから始まりへの連続性◇
こういうことは周りの自然からも感じられます。これから1年で一番寒い時期を迎えますが、何かの折に校庭の木々を見てください。特に落葉樹。葉がすっかり散って枯れ木のようになっていますが、よく見ると既に芽が付いているのが観察されます。春を迎える準備が既に始まっていて、終わりから始まりへの連続性を感じます。
今年度の総まとめ、新たな年度への準備にどう取り組むか、それぞれに計画を立て、体調管理にも十分気をつけながら、三学期を始めて行きましょう。
校長 村手元樹