朝礼の話㉛「勉強が面白くなる瞬間」
2025.01.28

石蕗(ツワブキ)の花(@セレニタ棟前) ・・・花言葉は「困難に負けない」

 

 

 

 

 

 

 

 


 

◇人生から考える勉強の意味◇

『勉強が面白くなる瞬間』(ダイヤモンド社、2022年)という本を最近読み、冬休みのお便りでも少し触れましたが、今日はこの本の内容について紹介します。

数年前、韓国の中高生の間でベストセラーになって、日本語にも翻訳され、日本でも評判となりました。勉強をサボり続けていた韓国の高校生が、あるとき勉強の面白さに目覚め、一念発起した体験をもとに書かれた本です。勉強をどのようにするかというテクニックというより、なぜ勉強するのか、勉強が人生にとってどんな意味があるのか、言わば人生論という観点で書かれています。筆者は、それまで勉強に対して間違ったイメージを持っていた、しかし勉強は自分の成長のためのものだと気づいて、それがモチベーションに繋がっていきます。

 

◇「夢」と「目標」の違い◇

「夢」と「目標」に対する違いについても書いてあります。よく「夢」というと「なりたい職業」をゴールとして思い浮かべることが多いですが、それは夢の一部であって、夢とは「なりたい職業」ではなく「生きたい姿」だと言います。漠然としててもいいけれど、「こんな人生を歩みたい」「こういう人になりたい」ということです。

その「夢」のグランドデザインの下に「目標」があります。そうなるためには何をなすべきか、今日一日をどう使うかなど行動目標が決まってきます。そう考えると勉強の基準も違ってきます。その科目を「使うことがあるかどうか」という狭い基準でなく、勉強を通して自分が「何を得られるか」というように考えるようになります。

 

◇勉強は生きる力を育む◇

全ての科目には「学ぶだけの理由」がある、「人生を生きる力」を養うものです。知識や技術だけではありません。勉強は食べ物と同じように、摂取され消化され吸収されて血肉化するように、目に見えない形で様々な「生きる力」となります。例えば、勉強を決心する瞬間、「チャレンジ精神」が生まれ、持続すれば「自制心」「粘り強さ」が向上する、準備をしっかり行なえば「計画性」が身につきます。学ぶ内容を通して、「理解力」「好奇心」「探究心」「記憶力」「問題解決能力」など様々な力が培われます。学校に通うことで「体調管理能力」が備わったり、目標を達成すれば「自信」がつき、自己肯定感が高まります。こんなふうに勉強を通して「生きる力」が育まれていきます。

本の一部だけ紹介しましたが、よかったら一度読んでみてください。韓国の中高生の98.4%が「勉強したくなった」と回答したそうですが、確かに勉強したくなると思います。ただその気持ちを保てるかどうかが次の段階の問題としてありますが。

校長 村手元樹

*2025.1.23 全校朝礼