生徒会の任期を終えて
2023.10.14

 こんにちは、第五十六回生徒会長の荒川涼風です。九月九日、十日に本校で学園祭が開催されました。今年は三年ぶりに規制がない開催となりました。両日ともに賑わいを見せ校舎中に笑顔や歓声が広がっていました。そしてこの学園祭とともに第五十六回生徒会も任期が終了となりました。学園祭までの約一年の生徒会の活動を振り返ろうと思います。 

 

  

 第五十六回生徒会は二年生二人、一年生四人という体制で昨年の九月に始動しました。最初の大きな役割は「冬季に新しい行事を企画する」というものでした。冬季は部の大会や大きな行事もなかったためです。夏季まで大会が少ない文化部を中心とした展示・発表会形式の行事とし“ARTS FESTA”という名前を付け企画を進めていきました。私は企画に取り掛かるまで行事を行うにあたり必要な事は台本の準備や各部の進行度の確認程度しか思いつきませんでした。しかし実際には台本の準備はもちろん、出演団体への事前説明、説明用の資料作り、発表内容の確認、照明の有無、校内の飾りつけ、Instagramへの紹介投稿、会場準備など、行事を企画するということは実際のところ私の想像をはるかに凌駕するものでした。先生方に助けていただきながら、慣れないながらも時間を見つけ各自割り振った役割を着々と進めていきました。二月六日となりついに本番を迎えました。校内ポスターや放送での紹介の影響もあり、生徒会側が予想していたよりも多くの生徒が足を運んでくれました。大きなトラブルもなく無事ARTS FESTAを終えることができました。しかし反省点も多くありました。各部と生徒会の連携がうまく取れておらずスムーズに司会が進められなかった時があったこと、リハーサルが不十分であったこと、部活動の準備期間が短かったことなど本番を迎える前は完璧だと思ったことも本番を経て穴がたくさんあったことに気が付きました。反省点は学園祭で生かせるように生徒会内でしっかりと共有をしました。 

 

 

 二月下旬から四月にかけては瀬戸の多文化共生についてお話を聞いたり菱野団地の支援施設へ見学に行ったりしました。コロナによる規制が緩和され日本だけでなく世界に目を向け、関わっていける学校にしていきたいという話になった際、まず初めに外国にルーツを持つ小中学生が多い瀬戸のことから知っていこう、という話になりました。私たちは多文化共生のソーシャルワーカーである神田すみれさんにお話を聞く機会をいただきました。神田さんには瀬戸の外国にルーツのある小中学生は特にどの国にルーツがあるのか、菱野団地の現状や瀬戸市が行っている支援などについて教えていただきました。また神田さんに同行していただき、実際に菱野団地にも足を運びました。こども食堂や言語支援教室、団地に住んでいる子どもたちが通う駄菓子屋などに行きました。国籍の違いによる苦労など様々な事を知りました。しかし一方で地域で困っている人を自ら支援しようと支援を始めた方や、国籍は友達になることに関係しないと笑顔で教えてくれた小学生など、菱野団地のみなさんの暖かさにも触れることが出来ました。 

 

  

 そして五月頃から徐々に学園祭の準備を始めました。生徒会の一番大きな役割と言っても過言ではない学園祭。今年度はコロナウイルスによる規制がない三年ぶりの大規模学園祭になるということで生徒会メンバーも気合が入りました。今年の学園祭のテーマは「世界の学校展」、クラスごとで一つの国を取り上げその国の学校や特徴を展示、発表してもらい、来場した方々にまるで留学をしたような気分になってもらいたい!ということでこのテーマに決定しました。各クラスが提出するクラス企画案やフィナーレ企画案をチェックしているとその国の間違った情報が書かれていたり他国と混ざった情報であったりしたため、かなり細かい確認をしました。また学年・クラスごとで進行度も全く違いました。進行がうまくいっていないクラスはどの辺りで迷っているのかを聞いたりアドバイスをしたりしました。生徒会は全校生徒の上に立っている存在ではなく、全校生徒の代表であり一緒に学園祭を作り上げていく対等の仲間という意識のもとでの自主的な行動でした。また生徒会もクラス展示を行いました。七月ごろからクラス展示の構想を練り、夏休みの期間を使って完成をさせました。生徒会は日本を取り上げ、学歴問題にフォーカスしたクラス展示を作りました。高校生のうちは受験で頭がいっぱいになって大学入学を人生のゴールのように見立ててしまう人が多いと感じます。ですがそうではなく大学や勉強は未来にはばたくためのゴールである、という思いを込め教室を滑走路に見立てて作りました。来場した方に私たちの思いが伝わっていると幸いです。これらの他にも台本作りや校内の装飾、見回りなど忙しい日々が続きました。そして本番の九月九日、十日。ARTSFESTAなどの反省を活かし入念にリハーサルを行った結果、大きなミスもなく生徒会の舞台企画、進行は盛り上がりを見せ無事終えることが出来ました。また校内も生徒や外部からのお客様の笑い声と笑顔で満ちていました。少ない準備期間の中、各クラスそれぞれが最高のものを作り上げてくださいました。学園祭が終わった時には疲労感と達成感で全身から力が抜けてしまいそうでした。それでも楽しかった、という声が聞こえるたびに頑張ってよかった、完遂できてよかった、と心の底から思える学園祭となりました。 

  

そして十月五日の任命式退任式をもって任期を終えました。この一年間、本当に多くの方に支えていただきました。「頑張ってるね」「何か手伝おうか?」「お疲れ様、しっかり休んでね」このような労いや励ましの言葉をたくさんかけていただきました。そのたびに胸がいっぱいになりました。「こんにちは」という挨拶でさえも原動力になりました。この一年、辛いことや投げ出してしまいたいときもたくさんありました。ですがそれ以上に周りの方々の温かさを感じられる幸せな一年でした。今まで支えてくださった先生方や生徒の皆さん、そして一緒に駆け抜けた生徒会役員のみんな、改めて本当にありがとうございました! 

 第五十六回生徒会長 荒川涼風