【朝礼の話⑭】心は聞いた言葉で作られる
2023.08.29

 

日日草は今日も元気に咲いていました。

花言葉は「楽しい思い出」です。

 

◇特別な出校日◇

夏休みもあと2週間となりました。1年生2年生は、夏休みの課題の残りや課題テストの準備、3年生は受験の準備、また皆さん、学園祭準備その他いろいろとすることも多いと思いますが、2学期のスタートに向けて鋭気を養ってください。引き続き、体調管理にも十分気をつけてください。

◇「聞く」ことの大切さ◇

さて、今日は夏休みスペシャル企画としてホームルームの時間の後、西経一神父様の講話をお聞きできるという本当に貴重な機会を持てます。そこで、いろいろな人の話を「聞く」ことの大切さについて少しお話ししたいと思います。

言語には「聞く」「読む」「話す」「書く」という4技能がありますが、コミュニケーションの一番の基本は「聞く力」だと思います。多くの人がその重要性を語っています。阿川佐和子さんの『聞く力』というロングセラーの新書は今も多くの人に読まれています。また同じく最近話題を呼んだ「人は話し方が9割」(永松茂久さん著)という本の中には「話し方は聞き方が9割」と書かれていて、人と話す時に大切なのは、いかに話すかより先ずいかに(相手の話を)聞くかが大切だと述べています。その筆者がある人に言われ、触発を受けた言葉があるそうです。「身体は食べたもので作られる。心は聞いた言葉で作られる。未来は話した言葉で作られる。だからね、人はどんな人に出会い、どんな話を聞き、どんな話をするかがとっても大切なんだよ」という言葉です。

◇傾聴する◇

「聞く」と一言に言ってもいろいろな聞き方がありますが、ちゃんと聞くことを「傾聴」と言いますね。「傾」は耳を傾けるの「傾」、「聴」は「聞こえる」の「聞く」ではなく、念を入れてきくという意味です。四技能のうち、最近よく「話す」「書く」など表現系が注目されがちなのですが、ただ何となくではなく、しっかり話したり書いたりできるようになるには、人の言葉をたくさん聞いて人の文章をたくさん読むことが先ず必要だと私は考えています。

◇聞きながらメモを取る◇

最近私も講話や講演を聴くことが多いのですが、一番心がけているのはメモを取ることです。聞き終わって「いい話だったな」と思って思い出そうとするのですが、「何の話だったけ」って内容が思い出せないんですね。老化もあるかもしれませんが。メモをとっておくと、あとから話が再生できます。せっかくの心に刺さる言葉も書き留めてないと、仮に思い出しても自分のフィルターがかかってしまってオリジナルのニュアンスとずれたりしてしまいます。何年かした後で、「あの言葉なんだっけ」と結構思い出して何かの参考にしたくなる時が来るんですね。それからメモを取ることで逆に集中して聴けるという効果もあります。まあ聴き方はいろいろなので、自分なりのやり方で「聴く力」を磨いてください。

◇一期一会◇

西神父様は、このために長崎から来ていただきました。毎回、私たちに本当に面白くていいお話を聞かせていただいています。今日の出会いを大切にしてくれたら幸いです。

校長 村手元樹

*2023.8.18 出校日の全校朝礼