◇高校時代と図書館◇
6月の第2週に読書週間があり、朝読書が予定されているので、今日は少し読書に関する話をしたいと思います。できるだけ図書館を活用しようというのが話の趣旨です。
私は昔から、図書館という場所が結構好きです。高校時代も、学校の近くに街の図書館があったので、自転車通学だったんですが、よく学校帰りに寄っていました。もっとも昭和という時代に愛知県の片田舎の街で過ごしたので、他にあまり立ち寄る場所もなかったということもあります。高校1年生の時に、街に初めて「マクドナルドというお洒落な店が出来るらしい」と評判になるような時代でした。だから学校帰りに寄る場所と言えば、本屋さんか図書館か公園くらいだったでしょうか。それからすると図書館は、さながらワンダーランドのような空間なんですね。本に囲まれて、ページを捲れば、「どこでもドア」のようにいろんな世界に飛び込んでいける、想像の翼が広がるわけなんです。これは実際そういう面があって、岐阜県から優れた小説家がたくさん出るのは、自然豊かな環境で感性が磨かれたからではないかとも言われています。
◇図書館のいいところ◇
今も割と図書館を利用します。とてもありがたいことに図書館は無料で借りられるので、買うのと違って決断のハードルが低いんですね。とりあえず借りてみようというお試しがしやすいというか。実際読み始めてみると難しすぎるとか、案外つまらないとかあるけど、そうしたら中断して返せばいいだけなんです。だから自分にとって新しい分野の本にも手を出しやすいし、一部分だけ読みたいなという本の時も便利です。読み返したいと思うほどの本に出会ったときは、本屋で購入します。図書館は出会いの場所でもあります(婚活ならぬ本活です)。
私は割と古い本を読みたくなることがあって、図書館によってある時とない時があるので、現在5つぐらいの図書館のカードを持っています。瀬戸、長久手、名古屋、豊田、近くの大学図書館です。最近とても便利になっていて、インターネットでその本を所蔵しているかや貸し出し中かなどがすぐ検索できるので、とても助かっています。
◇カピタニオの図書室と「新書」コーナー◇
この5つの図書館のほかに、灯台下暗しというか、身近にカピタニオの図書室があるのは本当にありがたいことです。いろんな高校の図書室と比較しても、かなりいい図書室だと思います。蔵書数も約32,000冊と全国の高校の図書室平均をはるかに上回っており、生徒一人当たりの蔵書冊数も546冊とかなり多いです。皆さんもぜひ活用してください。特に活用してもらいたいのが「新書」コーナーです。図書室を入って左手奥に「岩波新書」と「岩波ジュニア新書」がずらっと並んでいます。「新書」は、様々な分野について専門家が初心者向けにまとめた入門書です。「岩波ジュニア新書」は、主に中高生対象により易しく書かれた新書です。探究学習や進路選択などにも役立つので、興味を覚えたテーマの本を手に取ってみるといいと思います。
「岩波新書」と「岩波ジュニア新書」以外の新書も、図書室の各ジャンルの書棚に散らばって収められています。ちなみに私が最近好きな新書は「ちくまプリマー新書」という、これも中高生にも読めるように配慮された新書で、現代的な興味深いテーマを扱っているのと、装丁がお洒落なのもいいところです。
皆さんがよい本と出合うことを願っています。
校長 村手元樹
*2024.5.30 全校朝礼
図書室の新書コーナー