令和6年7月19日(金)、1学期の終業式を行いました。前日、平年より1日早く東海地方の梅雨明けが発表され、いよいよ夏本番を迎えます。熱中症対策のため、終業式はオンラインで各教室に配信する形で行いました。以下、夏休みを前に生徒の皆さんに伝えたメッセージを掲載します。
終業式での話
◇AI時代の自分の脳の育て方◇
一学期お疲れ様でした。いよいよ夏休みが始まります。夏休みの過ごし方について、こんなことに気を付けるといいなと思う点をお話ししたいと思います。参考文献は『子どもの脳の育て方――AI時代を生き抜く力』(講談社+α新書)という本です。AI(人工知能)の研究者・開発者である黒川伊保子さんが、脳科学の見地からAI時代に人間が脳をよりよく働かせるためにはどうしたらいいかを書いた本です。タイトルに「子どもの~」とありますが、本の帯には「この本の対象年齢は0歳から受験生まで、自分の脳を育て直したい大人も」とあり、年齢に関係なく当てはまることです。
◇生活習慣と脳とホルモンとの関係◇
脳をうまく制御(コントロール)するために5つの生活習慣「金のルール」を実行することが大切だと述べています。ただこの5つは目新しいものではなく、昔からよく言われていることばかりです。経験則から大切だと言われて来たことが最近では科学的な説明ができるようになってきています。それは主にホルモンという、身体の中で内分泌される化学物質の働きで説明できます。
◇早寝・早起き◇
「5つの金のルール」の1つ目は「早寝」。目の網膜が昼間の光から解放されて十分な暗さを感じることによってメラトニンというホルモンが分泌されます。メラトニンは睡眠を促すホルモンです。夜中に明るい中でいるとメラトニンの分泌が低下してしまいます。睡眠は学習にとっても重要です。知識は睡眠によって初めて定着することが分かっています。睡眠中も脳は働いていて、昼間覚えた知識を整理したり、知識と知識を結びつけたりします。またいわゆる成長ホルモンも睡眠不足だと分泌が低下してしまいます。
2つ目は「早起き」。網膜が太陽の光を感じることによってセロトニンというホルモンが分泌され、さわやかな目覚めを促し、活力を与えてくれます。セロトニンは別名「しあわせホルモン」と言われ、自己充足感(満ち足りた気分)=幸福感が生まれます。イライラや不安を抑制する作用もあります。甘いものを食べると一瞬幸福な気持ちになるのもセロトニンの作用だと言われています。
◇朝ごはん・適度な運動・読書◇
3つめは「朝ごはん」。これもごく当然の話で、体も脳もエネルギーがなければ、うまく働きません。文科省も成績に比例するデータなども挙げて、その必要性を強調しています。毎年「早寝・早起き・朝ごはん」というキャンペーンも行なっています。
4つ目は「適度な運動」。運動によって、ドーパミンとノルアドレナリンというホルモンが分泌され、「好奇心と集中力」が促進され、脳の学習効果を高めるそうです。
5つ目は「読書」。豊かな感情や想像力を養い、脳を活性化してくれます。
◇5つの金のルールとラジオ体操◇
以上、「早寝」「早起き」「朝ごはん」「適度な運動」「読書」という5つの金のルールなるものをなぜ夏休みの過ごし方で挙げたかと言えば、これらの習慣は普段の学校生活の中では必然的にせざるを得ないものですが、夏休みになると崩れ勝ちなんですね。そう考えると、昔、私の世代は、小学生が夏休み毎朝6時過ぎに近くの公園とかに集合してラジオ体操をして、出席率がいいとお菓子がもらえるという習慣があったのですが、そういう意味があったんだなと思います。
◇AI時代の生き方◇
要するにAI時代に重要なことは、今まで以上に人間らしさを追求することだということでしょうか。生物である人間が自然環境や感情に左右されるのは、制約であると同時にプログラムを越える可能性でもあると思います。
そんなことに気をつけながら、各自の目標を立てて、よい夏休みをお過ごしください。有意義な夏休みになるよう祈っています。
校長 村手元樹