【朝礼の話㉕】ぼーっとする
2024.08.21

校舎と夏空

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏休みもあと2週間となりました。このあと夏休みの課題や課題テストの準備、受験の準備、学園祭準備など2学期に向けてのいろいろな準備もありますが、2学期のスタートに向けてしっかり鋭気を養ってください。

また引き続き、体調管理にも十分気をつけてください。8月7日が立秋、暦の上では秋とは言うものの、危険な暑さが続いていますし、これからも厳しい残暑が予想されます。こまめな水分補給などの暑さ対策をしっかり行い、熱中症にはくれぐれも注意してください。

 

デフォルト・モード・ネットワーク◇

さて、夏休みの始めに「早寝」「早起き」睡眠の重要性の話をしました。睡眠中に脳は情報を整理し、学習効果を高めたり、ストレスを軽減したりしてくれるという内容でした。今日はその話に少し補足をしたいと思います。この脳の働きは睡眠中だけでなく、起きていて「ぼーっとしている」時にも発動することが分かってきたんですね。このような、人が意識的に活動していない状態における脳の働きをデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)というそうです。

何かに熱中したり人と会う時間も大切ですが、それと同時に一人でぼーっとしてのんびりする時間も是非作ってください。現代では意外とこのような時間が取りづらくなってきている気がします。

 

◇三上と3

この働きについては、科学的に解明される以前にも人類はうすうす分かっていたと思われます。千年ぐらい前の中国の欧陽脩という偉人が、「三上」(さんじょう)という、良いアイデアや解決策が見つかりやすい場所を挙げています。「三上」は馬上(ばじょう)、枕上(ちんじょう)、厠上(しじょう)。馬上は乗り物に乗っている時。ただし、あくまで「ぼーっとしている」状態なのでスマホをいじっていると作動しないようです。枕上は寝ている時。厠上はお手洗い。

ドイツの有名な心理学者ケーラーも何かをひらめきやすい環境として「3B」ということを言っています。「3B」は、Bath・Bus・Bed。Bathは「お風呂」、Busは乗り物の「バス」、Bedは「寝ている時」です。

このほか、散歩をしたり、星を見上げたり、あるいは夏の終わりの夕日を眺めたりするのもいいかもしれません。では残りの夏休み、健康に気をつけて過ごしてください。

校長 村手元樹

*2024.8.19 出校日の全校朝礼(オンライン)