朝礼の話㉜「ライフシフト」
2025.03.07

感謝坂の道

 

 

 

 

 

 

 


◇人生を道に例えると◇

おはようございます。今月のテーマは「生き方―私の進む道」です。人生はよく道に例えられますが、皆さんは、どんな道を思い浮かべますか?たぶん「一本の真っ直ぐな道」というより「曲がりくねった道」というイメージではないでしょうか。回り道をしたり横道に逸れたり迷ったり、あちこち違う道に行ったりすることもあります。

 

◇人生の変化◇

少し前に『ライフシフト』(東洋経済新報社、2016)という本が話題になりました。サブタイトルは「人生100年時代の行動戦略」です。ライフシフトは、人生の変化ということで、今まで以上に、状況に合わせて生き方を見直して対応していかなければならないと述べています。なぜなら人生が長くなれば変化を経験する機会も増え、社会は目まぐるしく変化しているからです。例えば途中でAIに今の仕事を奪われて次の仕事を探すことになるかもしれませんし、偶然の出会いや出来事によって新しいことを始めたくなるかもしれません。

 

◇リカレント教育◇

私も大学卒業後20年以上経ってから大学でもう一度勉強し直す機会があって、仕事と並行して大学に通っている時期がありました。その辺りの事情はブログにも書きました。その頃、大学でばったりカピタニオのかなり前の卒業生と再会しました。たぶんその時40歳前後の人だったと思います。お互い「何でここに?」ということになって、そしたら彼女は「今年この大学の看護学部に入りました」と言っていました。高校卒業後に語学系の大学に入ってそのあと企業にずっと勤めていましたが、思い立って看護師を目指しているとのことでした。こうした学び直しをリカレント教育と言うのですが、こういうケースはこれからも増えていくと思います。

 

◇道草かどうかは分からない◇

生徒の皆さんの志望理由書を添削していると、その志望とその人が今まで歩いてきた道とが繋がっていることが実感できます。明確に繋がっていることもあれば、何度か書き直しているうちに、以前に偶然体験したこととの繋がりがふと浮かび上がってくるようなこともあります。ビータさんが「人は触れたことにしか興味を覚えられない」とおっしゃっていたように、道草だと思っていたことが後々大きな意味を持ってくることがあります。

大切なことは今、目の前にある、いろいろなことに一生懸命取り組んだりチャレンジしたりすることかなと思います。一本の真っ直ぐな道をイメージしすぎると、目標以外のことを考えなくなってしまいます。今やっていることが本当に道草かどうかは人間には見極めることはできません。だから偶然の出会いを楽しんだほうがいいのではないかと私は思っています。

校長 村手元樹

*2025.2.20 全校朝礼