Use it, or lose it ―令和6年度3学期修業式―
2025.03.24

通用門南の桜はもう満開

 

 

 

 

 

 


 

令和7年3月19日(水)、3学期の修業式を行ないました。修業式で生徒の皆さんに話した内容を紹介します。

 

修業式の話

◇学び方・学ぶ姿勢の再点検を◇

まず一年間本当にお疲れ様でした。春休みにしっかりと英気を養ってください。同時に今年度を振り返り、その反省を生かして、次年度の目標を立てるようにしましょう。特に今の自分の学び方や学ぶ姿勢を再点検し、学びをさらに深めていってほしいと思います。

3月12日のキャリア・ガイダンスも、とても参考になったと思います。卒業生の先輩たち、それぞれに自分なりの勉強のスタイルをしっかり持っているなという印象を持ちました。やり方はいろいろですが、いくつか共通するポイントがあると思います。勉強法に関する本100冊を読み込んで、勉強のポイントを大事な順からランキング形式で抽出した調査があります。その第1位は「繰り返し復習する」というものです。

 

◇勉強法の重要度第1位は「繰り返し復習する」こと◇

「やっぱり、そうですよね」という感じです。そもそも学習の「習」は「繰り返し練習して身につける」という意味です。心理学においても「エビングハウスの忘却曲線」という有名な研究があって、人間は、新しく覚えたことを復習しないと、数日後には8割くらい忘れてしまうそうなんですね。

「復習」の大切さは誰もが分かっていますが、問題は「復習」は単調で面倒くさいということなんです。だから、それをただただ我慢してするのではなく、自分なりに工夫して少しでも「楽しくする(面白くする)」のが勉強の最大の課題のような気がします。卒業生の先輩たちも、いろいろな工夫を語ってくれました。

 

Use it, or lose it

このことに関して、皆さんに今日覚えて帰ってほしい言葉があります。それは「Use it, or lose it」という英語の格言です。直訳すると「使うか失うか」ですが、「or」には「さもないと」という意味もあるので、ここでは「使わないと、失われる」と訳せます。物は使えば使うほどすり減っていきますが、人間の体はその逆で、使わないとその機能が衰えてしまうということです。例えば、老化を防ぐためには適度な運動が必要とよく言われるのは、運動しないと足腰が衰えてしまうからです。若い人も同様で、運動しないと体がなまることは経験的に知っていることです。

 

◇面倒くさいのは頭を使うから◇

人間の脳(頭)も同じです。よくできるだけ楽に力を付ける方法はないかと考えてしまいがちですが、勉強において「面倒くさい」というのは大体「頭をたくさん使う」というのと同義だとすれば、「学問に王道(近道)なし」という金言は当然のことです。三年生の皆さんは、この春から小論文の勉強を始める人も多いと思います。ものを書くというのは、相当「面倒くさい」ことです。例えば、現代文の読解問題でも「傍線部の説明として正しいものを次のア~オのうちから選べ」という問題より「傍線部を100字で説明せよ」という問題のほうが面倒くさいですよね。でもどちらの方が力が付くかは明らかです。「頭を使うほど頭が鍛えられる」ということなので、小論文の勉強もがんばってください。

というわけで、自分の学び方や学ぶ姿勢を考える際、「Use it, or lose it」ということを思い浮かべてくれたら幸いです。

校長 村手元樹