正しい知識は専門家から
2024.12.26

1年生は学校生活に慣れたこの時期に、ココカラウィメンズクリニックの伊藤加奈子先生に、「性=生のお話」をしていただきました。

 

先生は、「正しい知識を知っておくと、自分の行動をどのように取ればよいか考えることができるからね!行動に対する責任をきちんととるんだよ。」と生徒達のこころを掴み、性の学習をしてくださいました。

 

まず、子どもたちが性の暴力に遭わないようにするために、欧州では性教育はきちんとした学問として捉え、幼稚園児から「プライベートゾーン」という言葉の意味を教え、自分の身体を守ることを教えているそうですが、日本はその点で遅れていることを話してくださいました。ユネスコの包括的性教育にある8つの部門は人権と関わっているからこそ大事な教育であり、いやらしいことではないと前置きしてくださったお陰で、みんなきちんと聞いていました。

 

1.LGBTQ   2.月経 3.妊娠 4.性感染症

の順で説明され、その中で必ず「これは知っておいてね!」という言葉かけをしてくださり、本当に生徒たちのことを考えてくださっていることが伝わってくる講演会でした。

 

生徒の感想を抜粋して紹介します。

 

*LGBTQという言葉は知っていたが、内容についてよく知らなかったので、今回詳しく知ることができて良かった。社会では多様性という言葉が出回っているのに、どうしても差別や偏見がなくならないことについて疑問に思いました。

 

*今回、このようなお話を聞き、些細なことが自分の命、他の人の命にも関わってくるんだと思った。そして感染症などの対策、予防をするための薬や道具、治療などがある事、それに加えて、もしもの時や誰にも話せない時に、相談所、婦人科などと言った強い味方があったことを知り安心しました。

 

*性に関する知識は、日本は世界に比べて若い子は特に知識がない事を知り、今回正しい知識を知ることができたので忘れないようにしていきたいと思った。また、世界的に多様性というワードが広がっているからこそ、偏見を持つのではなく、受け入れる心を大切にしていきたいと今回の学習を通して感じた。

 

*まずは性についてよく知り、自分の考えを変え、一人ひとりを受け入れ認め合うことが大切だと知りました。またみんながよく使うSNSで性被害が出ていること、高校生が一番多いことを知り、よく考えて行動し、被害に遭わないように気をつけたいと改めて思った。

 

*今回のお話を聞いて私が感じたことは、自分自身の行動にしっかりと責任をとることの大切さです。私たち高校生は自立しつつあるため、行動の範囲も広がっていきます。だからできることも多くなり、少し浮かれてしまう時期だなと感じます。だからこそ、今一度自分自身の行動を見つめ直し、責任のとれないような行動はやるべきではないと思いました。

 

性教育と聞くといやらしい。

中学校までに受けてきたから、今更聞くことがない。

私には関係ない。

など、偏見をもっていた生徒たちは、伊藤加奈子先生の無駄のないお話によって、

性のお話は嫌らしいことではなく、生きていく上で大切なお話」、

正しい知識を持つことの大切さ

に気づいてもらえて、まず1年生のねらいは達成したと思いました。生徒たちのほとんどは性の知識をSNSから得ているので、今回のお話を聞き自分の行動を変えなければという感想が多く見られました。高校生の時に正しい知識を得ないまま、自分の心、体を傷つけた少女たちが巷でたむろっている現状を知ると、心が痛みますね。日本の教育と諸外国の教育の目的やねらいは、人間教育に焦点が合っていないような気がするのは、私だけなのでしょうか?