「ツワブキ」のように
2025.03.05

3年生は卒業前に布池カトリック教会で3年間の学校生活を無事に終えることができることを、ミサの中で感謝をささげます。

今年司式をしてくださったのは、名古屋カトリック教会教区長、松浦悟郎司教様です。

ミサの中で司教様は卒業していく生徒たちが将来遭遇するであろうことを念頭に置いて、次のことを話してくださいました。

 

人間は皆、幸せになりたいという望みを持っています。しかし、将来何が起きるのか私たちには全く分かりません。想定外のことが起きた場合に、幸せになりたいということよりも、幸せな生き方をしたいと思うと自分の内から大きな力が湧いてきます。」とお話をしてくださいました。

 

 

また、卒業式では、「皆さんは卒業証書を手に持って校門から出て行くと、学校は皆さんの母校になります。漢字は違うけれど船は港から就航し港に戻ってきます。だから母港と言います。人生の航海に出発する皆さんは、嵐にあったり、進路が見えなかったり、故障して停滞しなければならない時が来るかもしれませんが、皆さんには母港があります。母校に戻り見失った自分を取り戻して、また皆さんの人生の航路を歩んでいってください。」と卒業していく一抹の寂しさと不安を抱えていた生徒たちに、希望のメッセージを届けてくださいました。

 

 

 

校長先生、理事長先生、ご来賓の方々から卒業生の未来を照らし導いてくれるであろう言葉をたくさんいただきました。

カリタスホームに集っている私たちの想いを受けて、卒業生代表相羽さんが答辞で成長した自分たちを本校のセレニタ棟にひっそりと咲いていたツワブキに例えながら、3年間の学校生活を語ってくださいました。

 

相羽さんは校長先生のブログで、このツワブキの花のことを知ったそうです。

 

本校舎を出て自販機前を通ってセレニタ棟へも行くことができますが、教室へ行くために階段を上らなければならないので、あまりこの経路を通ることはありません。そんな中で誰からも見られることもないのに、ツワブキの花は自分らしく黄色の花を咲かせているその姿に、相羽さんは自分たちに重ね合わせることができたのでしょう。

 

 

 

 

2022年入学した時もコロナ禍で、全ての人たちはマスクをしていたので相手の表情が分からず、不安と緊張で始まった高校生活。

中学でも経験したことがない校外での宿泊行事、見知らぬ仲間たちとどのように関わればいいのか不安と緊張でいっぱいだった修養会。

彼女たちの不安は、何といっても友人関係でした。

自分はどう思われているのか、皆に気にいられるように自分の気持ちを偽り相手に合わせてきた日々。

そんな中でカピタニオの庭に植えられてきた生徒たちは、困難をばねに常に前向きにとらえて成長していった学年でした。

黄色の花のように周りを照らせる優しさ、ツワブキの花言葉「困難に負けない」生き方を身に付けて、3年間の学び舎を巣立っていきました。