学校紹介

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校長あいさつ
GREETING

【校長】村手 元樹

「賢さ」「強さ」「優しさ」
-幸せな人生を歩むための
礎(いしずえ)を築く-

成長小説から学ぶ三つの大切なこと

『赤毛のアン』『小公女』『愛の妖精』など、女の子の成長を描いた、すぐれた古典的な成長小説があります。その主人公に共通する、特に重要な三つの長所があると私は考えています。これはそれを書いた女性作家たちが自分の人生を通して学んだ生き方を読者たちに伝えようとしたメッセージであり、またそういう生き方をすることで幸せな人生を歩んでほしいという願いが込められています。生徒たちに高校時代に培ってほしいと私が思うものでもあります。

一つ目は「賢さ」

ここで言う「賢い」とは、「思慮深い」という意味です。簡単に言うと考えが深い、浅くないということですが、「考えが浅い」とは物事を一つの方向からしか見ない状態です。「考えが深い」とは物事をいろいろな角度から見ることができるということだと思います。また、物事の、目に見えている部分だけでなく、目に見えない背景や本質を見極めることができるということです。そうなるためにこそ学ぶのです。本校が体験学習・探究学習を増やし、多くの本を読み、多くの人と出会う機会を作っているのも多角的な視点を醸成するためです。

二つ目は「強さ」

主人公の女の子たちは皆、強い心を持っています。「強い」の反対は「弱い」ではありません。むしろ自分の弱さを認め、肯定するところから真の強さは生まれます。自分の弱さを知ることは、自分が他者の力に支えられていること、それによって初めて自分が力強く立っていられることを認識することでもあります。本校では、宗教の授業で「自分」について、女性学の授業で「他者」との関係性について考えることを通して自己肯定感を高めていきます。

三つ目は「優しさ」

この「優しさ」は、「思いやりがある」「愛の心を豊かに持っている」という意味の「優しさ」です。主人公が愛の心を育むには二つの必要条件があります。一つは愛されること。主人公に愛の手が差し伸べられ、愛されることによって彼女たちは人を愛することを覚えていきます。もう一つ大切な条件は、他者を愛するためには自分自身を先ず愛することが必要だということです。本校生徒は「愛の実践」という取り組みをしています。理論としてだけでなく、日々の生活の中から目に見えない「愛」について理解を深めていきます。

学校文化の中で育むもの

「賢さ」「強さ」「優しさ」というような価値観は、簡単に身につくものではありません。そのような価値観は、それが習慣として共有される場所で一定期間を過ごすことによって知らず知らずのうちに培われていくものです。その第一の場所が「家庭」なのですが、次に大切な場所は学校です。カトリック学校である本校は、「賢さ」「強さ」「優しさ」が共有され、醸成される場所でありたいと考えています。